デブとは・・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/デブ
デブとは日本語で肥満体型のこと。また、そのような体型の人間をからかったり嘲った言い方。
ウィキペディアにもそう記載されているように、「デブ」はこれまで肥満体型の人に対するネガティブワードとして扱われてきた。
「デブはダサい」、「デブはだらしない」、「デブは不潔そう」など、いいところを見ようとせず、否定する言葉としてしか使われてこなかったのだ。
そんなデブが抱えるマイナスレッテルを覆すべく存在するアパレルブランドがある。それが「QZILLA by Mr.Bliss」だ。
そんな「QZILLA by Mr.Bliss」が大阪本町に構えるショールームへ足を運ぶ一人の男がいた……。
体重160kg・選ばれし男「ビッグマック君」

「もっとかっこよくなりたい!」
その言葉とともにショールームの扉を叩いたビッグマック君。彼は、近々結婚を考えており、これからプロポーズや親御さんへの挨拶を控えている一人の青年だ。
「人間が体重100kgを超えるのは才能」と言われる中で、彼は大幅にそのボーダーラインを超えており、まさしく選ばれし存在。しかし、その恵まれたボディを活かすことができる服がないというのだ。

そんな彼の願いを聞き入れたのが「QZILLA by Mr.Bliss」の代表であるマイコー社長だ。これまでさまざまなデブのニーズに応えてきた、全国のデブたちの「希望の光」的存在といえるだろう。
これからお送りするのは、「デブとして生きてきた男」と「誰よりもデブと向き合ってきた男」の、全脂肪を揺るがす感動ドキュメンタリーの序章である。
QZILLA by Mr.Blissの主役「感激シリーズ」を試着

ビッグマック君の体型を見るなり、マイコー社長から「いいボディやなぁ! 入るかな〜!?」という声があがる。普段、大きいサイズの服をたくさん世に生み出してきた彼でさえ、ビッグマック君の恵体に少しの不安に興奮と期待が入り混じったような声を出した。
「今ある中で一番大きいサイズを着てみよう」そう言って、ビッグマック君を試着室へと案内する。試着している間「感激シリーズ」の特徴について、いろいろと教えてくれた。

感激シリーズは、あえてボディラインを強調することによって、デブのかっこよさや愛らしさを出しているとのこと。それでいてシルエットにもこだわっているから、野暮ったく見えずスマートに見える。
さらに優れた伸縮性を持つのも特徴の一つで、着やすさはもちろん着心地、動きやすさなどにもこだわっている。歩いたり、しゃがんだりといった日常の何気ない動作をストレスフリーで行えるのは、まさに感激といえるだろう。
何よりただ機能性だけにこだわっているだけではないのが「QZILLA by Mr.Bliss」の素晴らしいところだ。ファッションを楽しむうえでは欠かせない「デザイン性」にも、ちゃんとこだわっている。体型を活かすデザイン、着ることで可愛らしさや安心感、清潔感を感じさせるので女の子からの好感も良くなるのだ。
お話を聞いている間に、ビッグマック君の試着が終わったようだ。

ビッグマック君は、袖を通すや否や不安がよぎったらしい。「これアカンやつや」とでも言いたげな切ない表情だ。

「え、閉めるの?」と言わんばかりにマイコー社長を見つめるビッグマック君。なんて純粋無垢な瞳だろう。

人は、一点に精神を集中させるとき遠くを見つめる。ビッグマック君もまた、お腹を凹ませようとすべての気を腹部に集めてみる。

見ているこちらが応援したくなるが、もはやビッグマック君はこれくらいのサイズ(4L)におさまるべき男ではなかった。

すでにこうなる未来がわかっていたかのように冷静なビッグマック君。ただマイコー社長を見つめ続けるのであった。
一旦、パンツも穿いてみよう

比較的大きいサイズ展開があるパンツの中でも大きめサイズを出されるが、穿く前から首を横に振るビッグマック君。思わずメガネもずれ落ちる。とりあえず穿いてみることに。

試着中、マイコー社長にいくつか質問させていただいた。
Q.今後、ブランドをどんな風に広げていく?
A.QZILLAの服を着て、羨ましがられたい。今まで日本では、「デブ」って聞くとマイナスイメージしかなかった。そういうレッテルを痩せている人が貼ってきた。それをもう変えていきたいんです。
デブは、意外と痩せている人に対して気を遣っているし、めちゃめちゃ清潔やし、いいやつばっかりやし。「デブ」っていう種族を確立したいんですよ。細身の奴らが嫉妬するくらいのブランドにしていきたい。「(細身の人に対して)お前のサイズはないから」みたいな。
Q.現状は、デブが細身の服を着てみたいという状況ですよね?

A.単純に「体が大きい人ってたくましくてかっこいいよね」みたいな表面的なことだけじゃなくて、日本中の人が知っているようなブランドがいい。デブもサイズに縛られず、ノーストレスでいろんなファッションを楽しんでもらいたい。
Q.大きめの服を作るにあたって、こだわっているポイントは?
シルエットですね。他所のブランドは、機能性を重視しすぎてダボッとした服が多いんです。そうすると余計にデブにみえるし、だらしなくみえるんですよ。
デブのボディラインをしっかり出しつつ、シュッとするようなシルエットを意識しています。あと機能性はもちろんですけど、デブはガリよりも生地が肌に触れるんですよね。だから着心地も意識しています。
いろいろお話を聞いている間に、ビッグマック君の試着が終わったようだ。

パンツと合わせて、トップスも別のものを試着してもらった。やはりこちらもサイズ的には、少々小さいようだ。

ジャケットは前を閉めるのがキツそうだし、パンツもウエスト周りがキツそう……。

穿けないこともないが、ちょっと無理をしている感が否めない……。するとマイコー社長が口を開く。
「さっき、『デブもノーストレスでいろんな服を着てほしい』と言ったんですけど、今ビッグマック君にストレスかけちゃったんで、これはもうクリアしないといけないですね」
「ビッグマック君は、4Lを穿けてるんで、5Lか6Lならノーストレスやと思う。だからそれを作る。決めた」

5L以上のサイズとなると、作るのにも大変な手間がかかるらしい。それでも、今ここでビッグマック君の姿を見て即決するマイコー社長は、非常にかっこよく感じた。
実は、前々からTwitter(マイコー社長)のDMなどでもお客さんから「もっと大きいサイズを作ってほしい」という声が届いていたのだとか。しかし上述したように、大きいサイズを作るのは一筋縄ではない。
「決めた」と言うマイコー社長もそうだが、一人の男を動かしたビッグマック君。彼もまた男の中の男……いやここでは、あえてデブの中のデブと言わせてほしい。
ビッグマック君プロジェクト始動!!

「QZILLA by Mr.Bliss」のマイコー社長は、ビッグマック君をかっこいいデブにするため、新たなサイズの「感激シリーズ」の準備に取り掛かってくれることになった。必要な時間は「約3ヶ月」。

一方のビッグマック君も、新たな感激シリーズが完成するまで、もう少し健康面を気遣って痩せようということになり、「160kg→140kg」を目指してダイエットすることになった。もちろん無理なダイエットで体調を崩してはいけないので、あくまで目標としての数値だ。
こうしてお互いに歩み寄る形で、かっこいいデブを目指すべく、マイコー社長とビッグマック君のチャレンジが始まった。彼らの行く末を最後まで見届けようと思う。
まとめ|細身の奴らを嫉妬させようぜ
「QZILLA by Mr.Bliss」のショールーム(試着室)は、大阪本町にある。事前予約によって、さまざまなアイテムの試着が可能だ。
※現在は、コロナの影響により試着できない可能性がございます。事前にお問い合わせのうえご確認ください。




このようにショールーム内には、シャツやジャケット、デニムなどさまざまなアイテムが用意されている。その場で自分に似合うコーディネートも組んでくれるので、コーディネートが苦手という方もぜひ気軽に足を運んでみてほしい。

また「QZILLA by Mr.Bliss」では、オリジナルマスクも製作している。デブの方なら、「市販のマスクは小さすぎる」と感じたことがあるのではないだろうか。「QZILLA by Mr.Bliss」は、当然マスクも大きいサイズとなっている。

この写真を撮っているとき、個人的に「ペンギンみたい……」と、すごく愛らしく感じた。やはりこのマスコットキャラクターのような愛らしさも、彼らデブの魅力なんだなと再認識した。

マスクを付けても、耳が痛くならないので嬉しい。しっかりとした素材だが、通気性がいいので息苦しくもならない。さらにメガネかけてもレンズが曇らないのはすごくいいなと個人的に感じた。ワンポイントのロゴがさり気なくおしゃれ。

ちなみに「QZILLA by Mr.Bliss」は、「となりの人間国宝さん」にも認定されている。関西のお茶の間ではおなじみの、あの円広志さんもお墨付きだ。

少しずつ、時代は移り変わりつつある。芸能界でも、その恵まれた体系を活かし「個性」として自身を表現する人は多い。例えば、石塚英彦さんや渡辺直美さんやマツコ・デラックスさんがあげられる。
彼らには、「デブ」という言葉が持つネガティブなワードが一切感じられない。むしろ細身の人たちにはない魅力がある。
デブは、人一倍身だしなみや清潔感に気を遣っているだけでなく、たくさんの魅力がある。守ってくれそうな力強さや優しく包んでくれそうな包容力、そしてマスコットキャラクターのような愛嬌。
そんなデブの魅力をファッションを通じて、伝えていきたい。デブが抱えるネガティブなイメージを払拭していきたい。そんな思いを抱えて、「QZILLA」は今日も大海を進んでいくのだ。
「#細身の奴らが嫉妬する」ようなかっこいいデブになろう。